今井さんが結婚したのは正直嫌でした。
20年近く、一方的に好きだった男子が誰だか解らない特定の女子のモノになってしまった事に嫉妬しないとは言いませんが、所帯じみたり丸くなったりして欲しくないんです。
あっちゃんはそーなった気がしてたんで。
『愛』とか『命』とか、尊いんでしょ?説教くさいロックなんか要らない。
『HEAVEN』『GALAXY』の先行シングルだけ聴いて、結構心配してました。
しかし、今井さんはやっぱり今井さん。天才でした。
想像を超えて変でした。
インストラルメンタル曲なし、直球勝負で15曲!たっぷりです。
かつてアニィがおっしゃった言葉を思い出しました。
「リリースするアルバムが常に、その時点でのBUCK-TICKのベスト盤」
そのとおり、清春さまも絶賛するわけです。
昔、ドリアン助川さんが『金髪先生』と言う深夜番組をやってました。洋楽の名曲とバンドを毎週紹介する良い番組でした。
その中で、「バンドはベテランになってくるとワールドミュージックをやりたくなる」と言っていた記憶があります。
BUCK-TICKさんもその境地にあるのかも知れないと思うことがあります。
『天使のリボルバー』だったら『絶界』、今作では『Coyote』『memento mori』はかなりBUCK-TICKさんのキャリアの中では異色な作品だと思いました。
特にアルバムタイトル曲『memento mori』はジャングルビートのような、あっちゃんの歌唱方法も沖縄民謡のような、南国っぺー感じがしました。
イントロの今井さんのコーラスも変で良かったです。
新しい境地もガンガン開拓しつつ、今までのキャリアを継承&発展もさせてます。
ヒデさん作曲の『Message』は壮大なバラードで、泣かせる名曲でした。『天使は誰だ』は前作『天使のリボルバー』を彷彿とさせるフレーズを織り込み、『Lullaby?』では『十三階は月光』の世界が大復活です。
虫が曲タイトルシリーズも続けて欲しいです。『スズメバチ』『スパイダー』『蜉蝣』『蝶蝶』『螺旋虫』けっこうありますね♪
バラエティーに富んだ腹一杯満足なアルバムです。BUCK-TICKさんを聴いたことがない方には強くオススメしたいです。
踊れる曲と聴かせる曲のバランス的にも、ライブが楽しそうで今から期待しちゃいます。

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